大正・昭和の大阪で、女剣劇一座の座長として活躍した
女性の波乱に満ちた半生を描いた一代記。
大正12年、秋。大阪・天満電気館では川路柳声一座が千穐楽を迎えていた。舞台上では、柳声の娘・鹿子が“どじょうすくい”を踊り、まばらな客席からも笑いと拍手が起こっていた―。
時は昭和8年、秋。鹿子は相も変わらず天満電気館で“どじょうすくい”を踊っていた。そこへ現れたのが、かつての柳声の弟子で、鹿子が幼い頃から慕い憧れていた尾形耕三。今は中村右太衛門を名乗り女形の坂東おもちゃと一座を率いているはずが、どうも身なりが小汚い。
事情を聞くより先に、耕三を追ってやくざ者が天満電気館に乗り込んできた。耕三ら一行は、仲介に入った男に前渡し金を持ち逃げされ、興行を放り出して逃げてきたのだ。
しかし、鹿子が耕三にあてたラブレターで足取りをつかまれ、先まわりされる始末。命を取られるか、ただ働きか、そんな窮地を救ったのは、柳声の啖呵と、柳声の後継者・麻生万であった。二人の大芝居に、やくざ者は平身低頭で引き下がり、坂東おもちゃらも合流しての一件落着。
二年の月日がたち、鹿子は耕三から求婚されて、めでたく結婚する。そのお祝いの席で万の口から改めて、鹿子座長の「劇団大和なでしこ」の旗揚げを宣言され、幸せの絶頂にいる鹿子。しかしその幸せも長くは続かなかった―。
翌年の春、鹿子の元に一通の電報が届く。差出人は柳声の妾の子で鹿子の異母妹・高橋禎子である。
柳声が倒れたとの知らせで見舞いに訪れた鹿子は、柳声から禎子の世話を頼まれ、劇団に入れてやることに。
その二年後、鹿子はかねてから念願の「京鹿子娘道成寺」の演目を引っさげて、天満電気館で興行をというさなか、夫・耕三は満州で映画監督になる話を持ちかけられ、禎子と劇団員を連れて満州へ。
残された鹿子は涙をこらえ、舞台を最後まで勤め上げるのであった…。
CAST・STAFF
◆ 出 演
藤山直美、林与一、大空眞弓、美木良介、川ア麻世、大鳥れい、逢坂じゅん
荒谷清水、衣通真由美、大津嶺子ほか
◆ 製 作
新歌舞伎座、株式会社 童夢
劇中には「どじょうすくい」や、劇中劇「瞼の母」なども
盛り込まれた、涙と笑いの人情喜劇をお送りいたします!